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第一話

郷隼人の歌 出会いの話
窓からの手紙



歌との出会い

 人生において、出会いは不思議だと思う。
人との出会い、自然との出会い書物との出会い…出会いは数多く存在し毎日を生きているのだが、通り過ぎてしまう出会いもあれば、心に深く残る出会いもある。
 一九九八年十一月の朝日歌壇に入選した郷氏の歌に私は大きな衝撃を受けた。

 頑なに 心の中で抗えど寂しさとい
う敵(エナミー)手強し

 ある時期、私は自分を世界一不幸な人間だと思い込み孤独感を楽しんで


いたらしい。(らしいとしかいいようがないほど思い上がった人間だった。)
 この歌を読みながら涙がポロポロこぼれ、私の孤独感など、この人に比べればなんという小さなことか、前を向いて生きてゆこうと、立ち上がる自分を感じたのだ。
 その時 私はアメリカの 郷隼人氏に手紙を書いていた。
 以来五年にわたり手紙のやり取りが続いている。
 あの時彼の歌に出会わなかったら私は独りよがりの人生を生きていたに違いない。

       早野